人生相談本は回答より相談の方が面白い
- 南薩の田舎暮らし
- 10月4日
- 読了時間: 4分
更新日:10月6日
9月27日(土)、石蔵ブックカフェ開催しました。このところ、天気が本当に変わりやすいです。しかも土砂降りが多い。こんな雨量の多い秋は久しぶりです(本当に秋なのか? ということは置いといて…)。というわけで、当日もなんだか不安定な天気で、朝はピーカン晴れだったのに、午後には短い時間でしたが土砂降りがありました。搬入・搬出の時は雨ではなかったのが幸いでしたね。

今回のテーマは「人生相談」でした。ブックスパーチ諏訪田さんの選書した人生相談本が並びました(新刊)。
私は、一時期集中的に人生相談の本を読んだことがあります。甥っ子のオンライン家庭教師をしていた時、読解力を上げるために何が必要か考えた結果、教材に人生相談の本を使ったからです。
人生相談の、相談者が書いている部分(回答ではない!)は、読解力の養成にはぴったりなんです。短い文章の中に「この人は何がいいたいのか」「この人が書いていないことは何なのか」などの探求しがいのあるテーマが豊富だからです。しかも悩みの大半は対人関係なので「ここに登場するお母さんは、どうして本人にこういう接し方をしているのか」といった考察がたくさんできます。「読解力養成には人生相談」! これは間違いないと思います。
国語のテキストとしてでなくても、読んでいていろいろ考えるのは回答じゃなくて相談の方ですよね。回答は、割と普通のこと言ってますから。でも相談の方は、エゴあり苦しみあり、人生ドラマありで、短い中に「人間」が凝縮されています。

ところがいくつかの人生相談本には致命的な欠陥があります。それは、回答者が「自分が言いたいことだけ一方的に言っている(質問者の抱える問題を理解していない)」つまり「回答者の側に読解力がない」「話が噛み合っていない」場合があるのです。まあ、国語の授業で使う場合は、「どこがどう噛み合っていないのか」を記述させるなど、これもひとつの教材として面白い点なのですが…。
ただし、相談者の話を理解した上で的確な返答を行うと、結局冷酷な内容になってしまう場合も多いので、多少噛み合っていないくらいの方がいいのかなとも思います。

今回は、いつもご出店いただいているインディゴケアの佐藤美菜子さんが所用のため欠席だったのですが、代わりに「やさしい時間」(加世田の長屋にある古民家カフェ)の東さんがオリジナルカレンダーなどのグッズ販売にいらっしゃいました。
東さんは、例年10月から石蔵ブックカフェでカレンダーを販売しているのですが、今年は1ヶ月早かったです。「もう来年のカレンダーを買う時期なの!?」というのが正直なところです。まだ年末は視て見ぬ振りをしたいですねー。みなさんもそういう心境かもしれませんが、来月も販売はありますので、そろそろ年末を意識していきましょう…(喪中欠礼の手配とかしとかないと…)。

今回、ブックスパーチさんでは外に本棚を設置する予定でしたが、先述のとおり朝はあまりにも日差しが強く、午後は雨だったので、結局本は室内に並べられました。以前、つばめ文庫さんも外に本棚を出していたことがありますが、天気が安定していないと難しいですよね。

午前中に開催予定だった「とりさし好きが集う会」は、申し込み人数が0人だったので開催されずでした。しかし実はこちらの確認不足で、申し込みは2名あったのです。開催せずの連絡が疎かになりご迷惑をお掛けいたしました。この場を借りて改めてお詫び申し上げます。
次回は、お客様からのテーマの提案により「昭和歌謡好きが集う会」を開催します。すでに4人ほど参加希望の方がいらっしゃるということで、開催の見込でいます。私は昭和生まれですが、昭和は子ども時代なのであまり昭和歌謡には詳しくありません。しかしそんな私でもなんだか記憶にあるのが、昭和歌謡といえば阿久悠と松本隆! ということです(お二人とも作詞家です)。阿久悠と松本隆の手がけた曲を並べるだけで面白そうです。どうぞご参加下さい。
**昭和歌謡好きが集う会**
10月25日(土)10:30〜12:00@丁子屋石蔵(石蔵ブックカフェ内)
↓申し込みはこちら(3名以上の申し込みで開催決定)【要申込】
そして、次回はなんと石蔵ブックカフェ8周年になります。ついこの前に7周年をやったような気がしますが、もう8周年です。例年の通り、スタッフ一同のエッセイを掲載した「石蔵ブックカフェ通信」を配布しますのでお楽しみに。ちなみに今回のエッセイのテーマは「私の創作活動」です。
次回は、10月25日(土)10:00〜19:00。また石蔵でお会いしましょう。
【今日の一冊】
吉川浩満・山本貴光『その悩み、エピクテトスならこう言うね』
橋本治『橋本治のかけこみ人生相談』
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