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執筆者の写真南薩の田舎暮らし

なにより怖いものは…

6月23日(土)、石蔵ブックカフェ開催しました。天気が心配でしたが雨も降らず、石蔵の中はクーラーが効いて快適。たくさんのお客様でにぎわいました。


ところで、私(南薩の田舎暮らし 窪)はこの時期かぼちゃの収穫で大変忙しく、連日の肉体労働で疲れていたため、この日は朝から疲労困憊しておりました(笑) 石蔵での一日がある意味休憩です。スタッフなのに自分が石蔵でくつろいで申し訳ありません。


それから、今回はいつも使っているカメラを忘れてしまって、商品撮影用に使っているEOSで撮ったので、いつもと写真の感じ(とアスペクト比)が違います。ご了承下さい(誰も気にしないとは思いますけど)。



今回の特集は「背筋がひんやり”怖い話”」でした。「夏本番間近!」と書いてありましたが、私は連日炎天下で作業していますので、もう夏本番の気分です。でもこれからまだ本番があると思うと、ぞっとしますね(もう怖くなってきた!)。



今回の特集は、怖い本とはいっても心霊系とかは少なかったのですが、日野日出志さんのマンガなんかは古本屋的で目を引きました(新刊ではお目にかかれない)。一見コミカルな怖い絵が特徴の日野日出志は、カルト的な人気があります。私は『蔵六の奇病』が好きです(しかしマジで怖い話も収録されており、おいそれと読むことはできません)。



「怖い話」つながりということで置いてあったのがこちら。『モンサント―世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』。昔から巨大農業企業の力は半端ないのですが、最近は遺伝子組み換えという強力な武器を手に入れ、まさに怖い話が現実になってきております。


モンサントは妙に(?)標的になっていますが、私は穀物メジャーのカーギル社も怖いと思います。非上場企業として世界最大の売上高を誇る巨人です。農家というのは、束になってかかってもこういう会社にはかなわないですからね…。怖い怖い。



他にも、医療や経済など、この先が心配という意味で怖い本もたくさん。特に面白かった(!?)のがこちら。本川達夫『「長生き」が地球を滅ぼす』。やっぱり人間の存在そのものが滅びに向かう怖い存在です。ちなみに、私は大学時代に著者の本川達夫先生の生物学の授業を取っておりました。いわゆる「名物教授」というような、とても個性的な先生でした(授業の中で、自作の歌を歌わされたりしました)。



さて、石蔵ブックカフェに合わせて丁子屋さんが開催してくださっているイベント「丁子屋石蔵講演会」に、今回は はまさき こころ さんが登場しました。ジャズの歴史を語りつつ、その時々のジャズの名曲を演奏したみたいです。お客さんも満員でした。



なお、こころさんは先日CDをリリースしたのですが、その記念として8月26日(土)に加世田のいにしへホールでライブがあります(石蔵ブックカフェの日の夕方)。そのチケット(1500円)は丁子屋さんで取り扱っていますので、気になる方は丁子屋さんにお問い合わせください。



ついでに、7月17日(月祝)に丁子屋石蔵で行われるnutmeg(ナツメグ)さんのライブについても告知します。nutmegさんは枕崎出身の幼馴染コンビ。東京で活躍されていたそうで、なんと枕崎の防災無線のチャイムの曲もナツメグさんの曲なんです。まさに「枕崎の至宝」。30席限定ということで、お早めにお申し込みください。



さらについでに、鹿児島伯林(ベルリン)的管弦楽団のコンサートもご紹介します。こちらにはつばめ文庫小村さんの奥さんがチェロで出演します。8月27日(日)、加治木の加音ホールで無料で聴けます。ちなみに私は、ブルックナーの交響曲では8番が一番好きかもしれません。月から見た地球(とブルックナー)がイメージ画像になるくらい(笑)、壮大な曲想の交響曲です。



告知ばかりで申し訳ありませんが、さらにもう一つ! 8月6日に、鹿児島大学稲森会館で映画『この星は、私の星じゃない』の自主上映会があり、監督の吉峯美和さんのトークライブもあります。


『この星は、私の星じゃない』は、日本のウーマン・リブ運動のカリスマだった田中美津さんの素顔に迫った作品で、吉峯さんは田中さんの人間的魅力にほれ込んで本作を自主製作したのだとか。なお、吉峯さんは丁子屋のみなさんのご親戚です。今年の始めには、女性史研究やマイノリティー支援、反差別などの活動に携わる女性を支える「女性文化賞」を受賞しています。



最後に、石蔵ブックカフェでの新しい取り組みについてご紹介します。それは、焼き物の販売! 石蔵ブックカフェ准スタッフの川田達也さんが、各地の道の駅などをめぐって目利きしてきた“自分で使いたい焼き物”を販売してくれます。どんな焼き物が登場するのか楽しみですね。



ところで、石蔵ブックカフェにはたくさんの常連さんがやってきます。一番の常連さんは、丁子屋さんの大奥様である吉峯睦子おばあちゃんなのですが、今回は(というか今回も)戦争の時の話をいろいろしてくれました。


睦子おばあちゃんが女学生の頃は、まともに授業はなくて軍事教練や軍需工場への協力のために勉強は全然できなかったそうです。それでも英語の授業はまだかろうじてあったのでよかったと言っていました。下の学年からは英語の授業自体がなくなり、ローマ字すら読めなくなったのだとか。そんな中、若い睦子さんが戦争は嫌だと思っていたかというとそうではなく、「自分が男だったら特攻隊に志願するのに!」「アメリカに負けてなるものか!」と思っていたそうですから、戦争というのはなにより怖いものだと思います。もちろん今では「戦争だけは絶対にしてはいけない」とことあるごとに訴えていらっしゃいます。


戦争といえば、石蔵ブックカフェを開催していた6月23日、ウクライナ侵攻後のロシア政局が大きく動いた「プリゴジンの乱」が起こりました。反乱自体はベラルーシの大統領の仲介で未遂に終わりましたが、これ以上の混乱がもたらされるような気がして怖いですね。これをきっかけに戦争終結の方向へ進むとよいのですが…!


というわけで、こんな感じでいろんな方とお話ししながら石蔵に一日いましたら、農作業での疲労が(精神的には)だいぶリフレッシュできました。もちろん、搬入や撤収などそれなりに大変なので、家に帰りついたらバタンキューでしたけど。


次回は7月22日(土)10:00~19:00です。また石蔵でお会いしましょう。


【今日の一冊】

岸見一郎・古賀史健『幸せになる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教えII』

小野正『大浦潟干拓に歴史あり』

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