「怪傑アンパンマン」には衝撃を受けました!
- 南薩の田舎暮らし
- 23 時間前
- 読了時間: 4分
6月28日(土)、石蔵ブックカフェ開催しました。
いやー、連日暑いです。6月に梅雨明けしたのは70年ぶりということで、早すぎる梅雨明けに早くも夏バテ気味…という中での開催でした。石蔵の中は比較的クーラーが効きますので、ブックカフェでは暑くなかったですけどね。

本日の特集は、「エッセイ」でした。エッセイっていいですよね。私は若い時、『日本の名随筆』を読むのにはまったことがありますが(といっても厖大なシリーズなので読んだのはごく一部)、自らの体験を大上段の主張なく上手な文章でまとめた作品が心地よかったです(もちろんそうでない作品も多い)。
そして、エッセイといえば、南薩の田舎暮らし/そらまどが発行する文芸誌『窻』の中心的コーナーが「テーマエッセイ」という、決まったテーマのエッセイです。第2号は、ブックスパーチの諏訪田さんのエッセイも掲載されています。

この諏訪田さんのエッセイが非常によくて、ここだけの話、第2号に掲載されたエッセイの中ではダントツによかったです。某ラーメン屋でのことが描かれているのですが、ラーメン屋の名前が出てないのがまたいい。ぜひ読んでみて下さい。

10:30から予定していた「中森明菜好きが集う会」は、申し込みが2名だったため開催しませんでした(3名以上で開催しています)。もし開催されたらかなりディープな会話が繰り広げられたのではないかと思います。残念でした!
そして次回は、満を持して(?!)、「日新公いろは歌好きが集う会」を行います。日新公いろは歌といえば、島津氏中興の祖・島津忠良こと日新斎(じっしんさい)が、その教えをいろは48文字を冠した歌で表したもの。南さつま市では「いろは歌カルタ大会」が開かれているため、小学生でもかなり覚えてます。
ちなみに私の好きな歌は、「く」の
苦しくとすぐ道を行け九曲折(つづらおり)の 末は鞍馬(くらま)の さかさまの世ぞ
です。「苦しくても王道を進みなさい。楽をしようとあっちへ行きこっちへ行きしていると、いつかは逆さまの世界になってしまう」ということです。今の政治(国際的に)はまさにこんな感じで「さかさまの世」になっちゃった感じがします。
というわけで、次回は日新公いろは歌について語りましょう! ぜひお申し込みください。
**日新公いろは歌好きが集う会**
7月26日(土)10:30〜12:00@丁子屋石蔵(石蔵ブックカフェ内)
↓申し込みはこちら(3名以上の申し込みで開催決定)【要申込】

そういえば今回、『詩とメルヘン』がたくさん販売されていました。これはアンパンマンで有名なやなせ・たかしさんが主宰していた月刊誌です(出版はサンリオ!)。タイトルのとおり詩やメルヘン的物語が掲載されていますが、詩誌としての特徴は、「詩にかならず挿絵が添えられていること」です。しかしフワフワ・ホンワカしたような雑誌ではなく、やなせさんの闘争心というか、社会に対する鬱勃とした気持ちが伝わってくる迫力ある雑誌です。
ここに掲載されていたやなせさんの怪作が「熱血メルヘン 怪傑アンパンマン」!!!

私(南薩の田舎暮らし 窪)も初めて読んだんですが、ものすごいエネルギーが充満した作品。こんなすごいの書いてたんですね。何がすごいって、ストーリーがぶっとんでいて文体が奔放。世の中へ大きな「懐疑」を突きつけている感じがビジバシ伝わってきます。
ストーリーは、アンパンマンがヒットした世界で(←当時、アンパンマンはヒットしていません)、商業的なアイコンとなったアンパンマンが金儲けに使われる中、現実のアンパンマンは自分が何のために生まれたのか悩み、商業主義との戦いの果てに奇想天外な冒険に巻き込まれるというようなものです。
ちなみに、この「怪傑アンパンマン」は大人向けの作品です。「熱血メルヘン」という奇妙な枕詞を冠している通りの、熱血な作品なので、ぜひ読んでみて下さい(入手困難作品ですが…)。

ところで、2026年1月に石蔵ブックカフェが100回記念を迎えます。100回ってなかなかないので、ちょっと記念になるブックレットなど作ってみたいと思っています。お客さんのことも掲載したものを作るつもりですので、その際はご協力をお願いいたします。
次回は7月26日(土)10:00〜19:00です。また石蔵でお会いしましょう。
【今日の一冊】
河合隼雄『大人の友情』
柳瀬尚紀『日本語は天才である』
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