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執筆者の写真南薩の田舎暮らし

「孤独」のススメ

4月24日(土)、石蔵ブックカフェ開催しました。


数日前から急に夏のような天候になり、汗ばむような陽気な日でした。アイスドリンクを注文される方が多く、今年初めてクーラーをつけました。


今回の特集は「新しいこと、始めませんか? -趣味の本-」でした。古本らしく(!?)ちょっと偏った趣味の本が並んだのが面白かったです。



この棚は、柔道・空手の本が集められていますが、大山倍達(ますたつ)の本ばかり何冊もあるのがいかにも古本屋(笑)。この本の売り主が集めていたんでしょう。


この他、プロレス、囲碁、書道、鉄道など、それぞれに偏ったラインナップの本が並びました。


ところで、今回の特集とは関係ありませんが、ちょっと面白いなと思った本を紹介してみようと思います。


はじめに『かごしま戦争遺跡 記憶の証人』(南日本新聞社編)。


太平洋戦争の際、米軍は鹿児島から本土に上陸する作戦を立てていました。日本全国で空襲や機銃掃射がありましたが、本土決戦の最前線だったのが鹿児島だったため、鹿児島には殊の外いろいろな戦争遺跡が残っております。


特に知覧の特攻基地は有名ですよね。本書では知覧だけでなく、鹿児島全域にわたる戦争遺跡がまとめられており興味深いです。


次に、最近発売された『うらやましい孤独死』(森田洋之)。【注意:新刊本です】


実は、今回の石蔵ブックカフェには、この本の著者・森田洋之さんがお越しになりました。森田さんは川辺で病院をやっていて、診療時間前に来ていただきました。ちょうどブックカフェの前日にテレビ出演されていたということもあり、サイン本もありましたので、飛ぶように売れておりました。内容は、マンションの一室で人知れず死んでしまう…ような「孤独死」をうらやましがるものではありません(当たり前)。


↓つばめ文庫 小村さんのオススメ文をご覧いただければと思います(FBの投稿)。


最後にこちら『子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)』(エリーズ・ホールディング著、松岡享子 訳)


奇しくもこの本にも「孤独」が題名に入っています。この本は「子どもにとって独りでいられる時間は大切だ」ということを述べていますが、パラパラ見ていても全力で頷きたくなるようなことばかりでした。名著の予感です。


「孤独」というと否定的な評価が下されることが多いですが、著者はむしろ集団に埋没してしまうことこそよくないと述べます。


子どもでも、おとなでも、絶え間なく刺激に身をさらし、外側の世界に反応することに多大のエネルギーを費やしていると、人間は刺激に溺れ、内面生活や、そこから生じる想像力、あるいは創造性の成長を阻止し、萎縮させることになるだろう。

四六時中テレビなどメディアの情報に晒されたり、ずっとSNSで繋がっていたり、現代はとにかく”情報”と”繋がり”によってがんじがらめにされている時代ですが、まさに心に留めておきたい警句ですね。「外側の世界に反応することに多大のエネルギーを費やしている」方、多いんじゃないでしょうか。


そしてこちら。

むしろ、何もすることがない時間こそが、人を創造的な活動に導くただひとつのものなのではないでしょうか。

子どもには、やれ勉強をしろとか、習い事を頑張れとかいいがちですけど(実際、私も言ってます…)、暇な時間こそ創造性を育てますよね。そもそもshoolの語源はscholē(スコーレー:暇)ですしね。特に、独りでゆっくりじっくり読書をする時間は人生を豊かにすると思います。


でも読書すらも時には必要はなくて、ひま〜な夏休みのまどろむような空白の日々が、時として子どもには一番大事なのかもしれません。そんな時間をプレゼントしてあげたいものです。


話は変わりますが、南薩の田舎暮らしでは、今回「カレンデュラ」の乾燥パックを販売しました。小100円、中250円、大500円という激安価格でした。



お茶にしたり(←この花弁のみでハーブティーになります)、サラダにちらして彩りを添えたりして使います。もしかしたら全然売れないかも…と思っていたのですが、結構買う方がいました。まだたくさん在庫があるので、インターネットでも販売するかもしれません。




もちろん、この時期オススメの「金柑とたんかん」コンフィチュール(マーマレード)も販売して、たくさんお買い上げ頂きました! まとめ買いされる方も多く、本当に有り難かったです。


次回は、5月22日(土)10:00〜19:00です。また石蔵でお会いしましょう。


【今日の一冊】

『うらやましい孤独死』森田洋之

『街道をゆく 陸奥のみち・肥薩のみち』司馬遼太郎

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