5月28日(土)、石蔵ブックカフェ開催しました。当日は、暑くもなく寒くもないちょうどよい気候で、雨も降らず、ブックカフェ日和といったところでした。そのおかげか、多くのお客様で賑わいました。
今回の特集は「梅雨シーズン到来! ミステリの世界に没頭を」でしたが、まだ梅雨入りはしてなかったですね(笑)
「ミステリ」という分野は、文芸分野の中では割と新参者の位置にいます。というのは、詩、物語、学術、論説、評論、幻想といった分野の本は千年以上前からあるのですが、「ミステリ」と呼べる小説ができたのはせいぜい19世紀の後半に過ぎません。19世紀に「近代小説」が生まれ、それが大衆化して生まれたのが「ミステリ」と言えるでしょう。
なぜ大衆化が、ミステリ=推理小説を生んだのか、というのはいろいろと理屈があります。しかし要するに、殺人や人間ドラマ、謎解きといった要素が、多くの人に求められるエンタメ性を持っていた、ということなんでしょうね。
てなわけで、ミステリは「最初からたくさん読まれる(売れる)ことを想定されて書かれた本」が多い。実際に売れたかどうかはともかく、幅広い読者に向かって書かれるのがミステリ。そして多作家が多いのもミステリの特徴。アガサ・クリスティ、エラリー・クイーンなんかはミステリの多作家の代表です。
日本のミステリの多作家といえば西村京太郎(なのか?)。今回の石蔵には西村京太郎がたくさん並びました。(でも、私(南薩の田舎暮らし 窪)は、西村京太郎は一冊も読んだことがありません。)
話は変わりますが、私はこのたび本を上梓しました。『明治維新と神代三陵——廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道』という本です。法蔵館という京都の書肆から出させていただいたものです。
この本を石蔵で販売したところ、事前に「本が出ます」と告知していたこともあって、多くの方が買って下さいました。当日だけで15冊売れました。著者割り当てが400冊もあるので本当に有り難かったです。
※なお「南薩の田舎暮らし」のショップサイトでも購入できます。
また、今回「南薩の田舎暮らし」では、「南高梅とりんご酢のシロップ」、「南高梅コンフィチュール」も今季初販売しました。さらに、「金柑とたんかんコンフィチュール」は今季最終販売。定番の「ジンジャーエールシロップ」と併せて、加工品の物販が充実してました。
またまた話は変わりますが(笑)、今回は石蔵に常設展示してある絵について書いてみたいと思います。洋画も数点飾ってありますが、それは私にはサッパリわからないので、今回触れるのは十数点が飾られている川瀬巴水(はすい)の絵です。
川瀬巴水は大正・昭和の浮世絵師・版画家であり、大胆な構図と繊細かつ抒情的な画風で海外で非常な人気があります。この巴水の版画が石蔵には飾っているのです。それは以前からでしたが、今回展示替え(というか追加)がしており、今まで飾ってなかった作品がお目見えしました。
例えばこれ↓とか。
有名な「芝増上寺(東京二十景)」に似てますが構図が違います。作品名がわかりませんがいいですね。それからこちら↓とか。
などなど、元から展示されていた作品も含め、本当に素晴らしい作品ばかりです。そして、実は鹿児島市の市立美術館では今年9月30日(金)〜11月6日(日)まで、「川瀬巴水——旅と郷愁の風景」と題して展覧会も開催されます。私も知らなかったのですが、鹿児島の風景を描いた作品もあるらしいです。
もちろんこの展覧会も貴重な機会ですけど、石蔵では美術館よりゆっくりじっくり見ることが出来ますので、石蔵ブックカフェにお越しの際は、ぜひ川瀬巴水の作品にもご注目下さい。
さて、次回6月25日(土)の石蔵ブックカフェでは、14時から丁子屋さんの方で定例の「石蔵講演会」もあります。石蔵ブックカフェに併せてお越し下さい。たぶん1時間くらいだと思います。
また次回についてはもうひとつ大事なお知らせが! 次回の石蔵ブックカフェは「つばめ文庫」が慶事のためお休みで、「南薩の田舎暮らし」のみの出店です。本は、「books & cafe そらまど」から少しは持ってくる予定ですが、それほど多くはないので、ご承知おき下さい。
それでは次回6月25日(土)10:00〜19:00、また石蔵でお会いしましょう。
【今日の一冊】
『計画と無計画のあいだ』三島邦弘
『大人のための絵本 天文館物語』清水哲男 作/浜地克徳 絵
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